かえるの米国株投資生活

米国株を中心とした投資で不労所得生活を夢見るサラリーマンです!

【IBM】米国老舗IT企業 私が購入しない その理由

f:id:syuichix:20190818192358j:plain

Big Blueの愛称でおなじみのIBMに関してIBMの今後と私が株式購入をおススメしない理由に関しての記事となります。

実は、前職ではIBMアンダーの企業におりました。
IBMの人間として、今後の予想と購入しないその理由をご説明します。
 
キーワードはやはり、Cloudです。
 
皆様お疲れ様です。
かえるです🐸
 
結論、私ならIBMでなくMicrosoftもしくはAmazonを購入する!です。
 
さて、結論の理由を順を追ってご説明します。
 
 

IBMとは?

www.ibm.com


米国大手IT企業であるIBMの名前を聞いたことがある方は多いと思いますが、実際何を行い、どうやって売り上げを立てている企業かご存知でしょうか?
 
IBMの正式名称(International Business Machines Corporation)100年以上の歴史がある優良企業です。
 
現地アメリカのGAFAを目指す学生には化石とも呼ばれる企業ですw

以前は、企業の基幹システムに使われるHWを製造販売する事業で大きな売り上げを築き上げました。
特に金融系とのリレーションは深く、金融関係の基幹システムにはほとんどIBMのHWが使われていたと行っても過言ではありません。

その代表としてAS/400の存在を忘れてはなりません。
↓AS/400ですw
 
故障しないで有名で、今でも地方の中小企業に行くと立派に稼働している素晴らしいHWです。しかし、現在では、HW事業は廃り、ITコンサル業やソフトウェアの販売、HW保守、AI関連、クラウドサービス、セキュリティで売上を上げています。
 
しかし、近年の業績はパッとしません。
 
HWが廃る原因となったのが、クラウドサービスの存在です。

後ほど、説明しますが、このクラウドサービスを牛耳ったものが今後の基幹系ITシステムの王者となると言えるでしょう。
 
 

AI関連も手掛けている(Watson)

 
 
AI関連ではWatsonというブランドで売り込みを図っています。
名前だけでも聞いたことがあるのではないでしょうか?

Watsonに関しても後ほどご説明します。
我々、一般人では普段IBMのサービスに触れる機会はそうそうありません。

というのも、IBMはC向けでなくB向け(企業向け)への販売をメインとしており、Microsoftのofficeのように普段我々が使う機会は少ないのです。
 
ですが、先に説明した通り、基幹系システムの今でも多くはIBM関連であり、皆様の普段の生活・仕事では後ろ側では立派に機能している縁の下の力持ちであります。
 

IBMの強みとは?

 
 
では、IT業界におけるIBMの強みとは何でしょうか?
強みにはAI(Watson)、知的財産権、既存顧客とのリレーションにあると思います。
ご説明します。
 

AI(Watson)関連に関して

 

皆さんも一度は名前を聞いたことがあるであろう、Watsonをご存知でしょうか?

Watsonとは、我々がいつも使用している言葉の意味を理解し、最適な答え・提案を膨大なデータベースから検索し探し出す事を得意としています。
 
事例ですと、SRA東北で提供しているIBMWatson連携AIチャットボットコードネーム「s a r à」の事例があげられます。

www.sra-tohoku.co.jp


s a r àで出来ることは、知りたい情報を検索のように打ち込むことで最適な情報を会話形式で提供してくれるというものです。
いわゆるチャットボットというものです。
 
極端に言うと、私たちが、意思を持って検索し答えを得るのに対し、Watsonでは私たちの意思を組んでくれて、答えを提供してくれるのです。
 
ただし、欠点として、導入に数億円の費用が掛かる事。
現実的に、費用対効果が見えない分野なので、導入に踏み切る企業も限られてしまいますね。
 

知的財産権と変化への対応力

 
 
IBMIBMは1993年から2012年までの20年間連続で米国での特許取得件数で第一位の実績があり、20年間の合計は約67,000件にも上ります。
 
フォーブス誌の記事では、IBM知的財産権のライセンス供与によって毎年10億ドルの利益を得ているとの発表もあります。
 
これらの知的財産権を生み出せたのもIBMの開発力であり、かつ、時代に合わせ、事業を大きく変革してきた点にもあります。
 
フロッピーディスク、ATM、HDD(ハードディスク)などIBM開発品も多いのです。
 
過去の事例でも採算の取れない事業を売却し、AIやクラウドなど企業買収により新たな事業への投資を行っています。
・過去売却した事業
 

ハードディスクドライブ (HDD) 事業 - 2003年に日立製作所に売却。
パーソナルコンピュータ (PC) 事業 - 2005年に联想集团(レノボ)に売却。
x86系プロセッサ搭載のSystem xサーバー事業 - 2014年に联想集团(レノボ)に売却。
半導体製造事業 - 2014年にグローバルファウンドリーズ(GF)に15億ドルの現金とともに譲渡。

 


・新たに取り入れた事業(セキュリティ・分析ツール・クラウド基盤)
 

2006年 インターネット セキュリティ システムズ買収 (セキュリティソリューション、現在のIBMサービス部門などに統合)
2009年 SPSS買収(同名の統計解析ツール、BIツール)
2013年 SoftLayer買収(クラウドコンピューティング基盤サービス)
2018年 Linuxデュストリビューター大手の米Red Hat買収

 

時代に合わせて、必要とされるソリューションを買収などで事業を変革させてきているのです。IBMが100年続く企業としての理由でしょう。

既存顧客とのリレーション

 

もう一点の強みとして、既存顧客とのリレーションにあります。
IBMは基幹システムに使われるHWの販売を主軸に、HWを動かすためのOS(IBMi)の提供、HWとSWの保守そして、ビジネスの見える化やセキュリティの強化など企業全体のITコンサルをすることで売り上げを継続してきました。
 
そのため、企業の黎明期から成熟期まで付き合いの長い顧客を持っているのです。
結果的に、IBMはリレーションの深い既存顧客が潤沢にありますので、新たなサービスや仕組をそれだけ他社よりも売りやすいのです。
 
IBMの強みが分かったところで、なぜ?AmazonMicrosoftの株をおススメするのか?その理由には今後のIT業界の勝ち組企業の特徴があるのです。
 

今後のIT企業(基幹系)の勝ち組企業とは?

 

キーワードにある通り、今後の基幹系IT企業の勝ち組の要素にはCloudが関係しています。
 
今までは、会社の中に業務関連のサーバを自前で設置し、管理を行ってきました。
IBMはこの物理的なHW販売で売り上げを伸ばしてきました。
自前でサーバをそろえることを「オンプレミス環境」と呼んだりします。
 
このオンプレミスには欠点があるのですが・・・
 

初期導入が多額に発生する。
自社管理の為、管理不足の場合には業務が行えない
サーバの更新により費用が発生する

 

一番の欠点は管理をしなくてはならない点であると思うのです。
 
例えば、WEBサービス関連の会社の業務関連が止まってしまうと、顧客からの注文も受けることも出来ず、発注処理もできないなど、企業にとっては大きな損失ですね。
 
そこで、近年の流れとしてはCloudなのです。

AmazonであればAWSMicrosoftであればazureが代表的ですね。
Cloudの仕組みとしては、今まで自社管理(オンプレミス)だったものを、Cloud提供業者がその環境を用意するという点です。
 
つまり、自前にサーバ関連を設置せず、Cloud提供者企業のサーバを利用し業務に当たるのです。特に資金の少ない中小企業にはメリットが大きいですね。
 
Cloudの良い点は・・・
 

初期投資が大きくない
サーバを自社管理しなくて良い
サーバの更新の必要がない

 

など細かいところを上げたらきりがありませんが、オンプレミスに比べメリットがあるのです。一部例外的に、銀行や電話関連(110警察、119救急車)などはオンプレミスとCloudの双方を利用したBCP対策を行っていると聞きます。

これにより、たとえCloudがダメになっても、オンプレミスの環境に即座に移行して業務を止めることなく遂行できる点にあるのです。

前置きが長くなりましたが、Cloud化が今後もトレンドになる事は明白で、生き残りにはこのCloud事業が必要となるのです。
 
 

勝ち組のCloud企業とは?


Cloudが重要なキーワードでありますが、IBMはCloudには遅れをとっていると言わざる負えません。
先にも上げましたが、Cloudというと、AmazonAWSMicrosoftのazureの2強状態です。
 
少し古い情報となってしまいますが、下記の資料をご覧ください。

www.itmedia.co.jp


IBMに関しては現状で3位、AWSが圧倒的に優勢である事が分かるのです。
 

f:id:syuichix:20190818191015j:plain

2017年第4四半期におけるクラウドインフラサービスのシェア率(出典:Synergy Research)

 

f:id:syuichix:20190818191004j:plain



クラウドインフラサービスのシェア率の推移(出典:Synergy Research)

 


IBMとしては、このCloudシェア獲得のために一時期話題となったRed Hatの買収があります。Red Hatの買収にはなんと340億ドル(約3兆6000億円)もの資金をつぎ込みました。
 
今回の買収の目的はGAFA企業に後れを取っているCloudシェア獲得のためです。
Red Hatリナックスと呼ばれるOSを手がけており、IBMの既存サーバのOSと親和性があります。

そのため、既存の顧客をCloudへいざない易いのです。
また、他社Cloud基盤の利用を防ぐことも出来るのです。
 
しかし、圧倒的な安さと使いやすさを持つAWSやazureにどこまでIBMが対抗できるかが勝負です。
 
基本的にCloud基盤が一度決まってしまえば、余程のことがない限り、他社への乗り換えは難しいでしょう。
 
というのも現行のCloudから別のCloudには費用も時間もかかるのです。
また、基幹業務を支えるシステムをそう易々と止めることはできません。既存顧客で優位性があるとは言え、シェア率で誇るAWS・azureを負かすことが出来なければ今回の大型買収も目的を達することが出来ないと考えるのです。
 
 

まとめ

 
 
再度結論ですが、私なら、IBM株でなく先行者優位であるMicrosoft株の購入が最善ではないかと思うのです。無配当でも良いのならAmazon株を購入します。
 
IBMはCloudに舵を切っています。
顧客のCloud基盤をがっちり掴めれば、その上に乗るOS、利用されるソフトウェア、
情報漏洩対策にセキュリティ、そして、顧客のサービスに付加価値を生めるWatsonなどのAI関連をAPI連携などで販売することが出来るのです。
 
しかし、Cloud基盤をつかめなければ、このトータル的な顧客へのITコンサルが難しくなるのです。
 
逆にAmazonMicrosoftはこの流れをすでに実行しており、牙城を作っています。
最近では、Amazonに米国国防省クラウド案件を持っていかれそうになっています。入札にはAmazonMicrosoftの2つの企業が争っており、IBMは名前すらありません。
この牙城を崩せなければ、IBMの別の方法をとらなければならないでしょう。
いくら、現状で高配当と言えでも、減配のリスクをある意味抱えていると言えるのです。この牙城を崩せると判断できた場合には買い時が来た!と思えるはずです。

最後に・・・個人的にはIBMの風土は好きですw悪しからずww

では、引き続きよろしくお願いいたします!